2020年末あたりからTOEICの試験が午前と午後に分けて実施されるようになりました。
おそらくみなさんこう思いますよね!
どっちの方が簡単とかあるの?あるんだったら絶対そっちの方がいいじゃん。
実は、午前と午後では平均スコアが違います。午前の方が平均スコアが高いんです。これは午前の方が難易度が低いということなんでしょうか?これについては後ほど詳しく説明します。
また、これを読んでいる人が午前か午後かを決める最強の方法、クロノタイプについても説明していきます。
本題に入る前に、まずはTOEICの試験の現在の仕組みについて詳しく説明していきますね!
TOEICは午前と午後に分けて実施されている
午前、午後に分けられているのはTOEIC TOEIC Listening & Reading公開テストのみ
2020年10月25日以降、TOEIC Listening & Reading公開テストは、感染症の拡大に伴い、教室収容人数の削減や受験者・試験管の安全確保の必要性から、1日に2回、午前と午後に分けて実施されるようになりました。
この変更は、感染症予防と安全対策のために行われましたが、午前と午後に実施されるようになったのはTOEIC Listening & Reading公開テストだけです。
他の試験(TOEIC Speaking & Writing公開テスト、TOEIC Bridge Listening & Readingテスト、TOEIC Bridge Speaking & Writingテスト、TOEIC IPテスト)には何の変更もありません。これらの試験は今まで通り、一日一回の実施となるので注意しましょう。
なお、TOEIC Listening & Reading公開テストにおいては、2022年度実施分まで午前と午後の2回に分けて実施されることが確定しています。ちなみに2023年11月10日時点でも午前、午後に分けられていることが確認できます。
TOEIC Listening & Reading公開テストの試験時間
TOEIC Listening & Reading公開テストの1日のスケジュールは以下の通りです。
午前
- 受付:9:25~9:55
- 試験の説明・音テスト:9:55~10:20
- 試験開始~試験終了:10:20~12:20
- 問題用紙・解答用紙の回収:12:20~12:35
- 解散:12:35(予定)
午後
- 受付:14:05~14:35
- 試験の説明・音テスト:14:35~15:00
- 試験開始~試験終了:15:00~17:00
- 問題用紙・解答用紙の回収:17:00~17:15
- 解散:17:15(予定)
TOEICを午前と午後両方受験することは不可能
TOEIC Listening & Reading公開テストは午前と午後に分かれて実施されていますが、同一日に午前と午後の両方を受験することはできません。
もし同じ個人が異なるアカウントを使用して複数回申し込みを行った場合、全ての申し込みに受験契約が成立します。ですが、運営の規定に基づいて、午前の受験回は許可され、午後の受験回は認められません。
ですので、申込時に午前に受けるのか、午後に受けるのか決めないといけません。どっちを選んだらいいんでしょうか?(後ほど詳しく説明します。)
TOEIC午前の部と午後の部の平均点の違い
TOEIC Listening & Reading公開テストでは午前と午後の二つのセッションに分けられています。午前と午後で平均点には差があるんでしょうか?
最近の5ヶ月間のデータを元に、午前と午後の平均点を比較してみました。
試験日 | 午前の平均スコア | 午後の平均スコア | 午前と午後の平均点の差 |
---|---|---|---|
2023年6月25日 | 607.4 | 594.7 | 午前の方が12.7点高い |
2023年7月23日 | 620.7 | 600.8 | 午前の方が19.9点高い |
2023年8月20日 | 620.8 | 607.9 | 午前の方が12.9点高い |
2023年9月10日 | 605.8 | 601.8 | 午前の方が4.0点高い |
2023年10月1日 | 625.6 | 614.3 | 午前の方が11.3点高い |
直近のデータ(2023年11月10日時点)を確認すると、すべて午前の平均スコアの方が高くなっています。
しかし、問題の難易度は午前と午後で同じです。IIBCによると、専門家による統計処理や採点管理を行っているため、問題の難易度に違いはないそうです。
では、なぜ午前の部の平均点の方が午後の部の平均点よりも高いんでしょうか?
TOEICの午前の部の平均スコアの方が高い3つの理由
TOEICの試験の難易度自体は午前と午後で差はありません。
では、なぜここまで顕著に差が表れているのでしょうか?私の経験も踏まえながら説明していきます。
朝の方が集中力が高い
一般的に、人々は朝になると体調が安定し、集中力が高まる傾向があります。これを証明する研究がこちらです。
この研究からわかることは、一般的に朝の方が集中力を高く維持できる人が多いということです。しかし、全員が全員朝の方が高い集中力を発揮できるわけではありません。(後ほど詳しく説明します。)
疲労感がない
午後になると、日中の活動やストレスの影響で疲労が蓄積しやすいです。
例えば、午前中にスマートフォンをずっと見ているだけで、脳は相当疲れてしまいます。その状態で試験に臨むと疲労感を感じながら試験を受けることになるため、実力を十分に発揮できない可能性があります。
受験者の心理的傾向
午前の部の受験者の方が午後の受験者よりもまじめな可能性があります。
世界的に有名な起業家の中にも早起きをして、生産性を高めている人がいます。例えば、
- Tim Cook (ティム・クック) – AppleのCEOーTim Cookは、毎日早朝に起床し、非常に規則的な生活習慣を持っています。彼は自身の時間を大切にし、朝の時間を仕事や個人的な発展に充てることを重視しています。
- Howard Schultz (ハワード・シュルツ) – Starbucksの元CEOースターバックスの元CEOであるハワード・シュルツは、毎朝早起きしてリーダーシップに備えるとともに、自身のビジョンを明確にするために時間を使っています。
- Elon Musk (イーロン・マスク) – TeslaおよびSpaceXのCEOーイーロン・マスクは、非常に忙しいスケジュールを持ちながらも、早朝に作業を開始することで知られています。彼は自身のツイッターアカウントで、朝4時30分に起きていることを公言しています。
ちなみに私が通っていた大学でも、毎月TOEICが開催されていました。高得点を取る生徒は午前に受験している人が多かったです。やっぱりまじめな人がおおかったので。
逆に、午後に受験する人は点数が低かったり、寝坊して受験できなかった人が多かったです。でも、その中でも高得点を取る人はいました。彼らの違いはなんでしょうか?
その答えはクロノタイプにあります。
人間にはクロノタイプというものが存在する
クロノタイプとは?
最近、生活リズムを夜型から朝型に変えることが勧められていますが、私はこの傾向に対して疑念を抱いています。なぜなら、朝型と夜型の生活サイクルは、特別な例でない限り、遺伝子によって制御されているからです。
個々の人に適した生活サイクルは個人差があると言えます。夜型の人が強制的に朝型に変わる必要はありません。むしろ、遺伝子が制約している以上、その変更は容易ではありません。
また、生活サイクルの差異は、最新の体内時計理論によってより詳細に区分され、アメリカの睡眠専門家であるマイケル・ブレース博士が提唱する「クロノタイプ」と呼ばれる概念が注目されています。
クロノタイプは、睡眠から性格の違いまで、クマ型、ライオン型、狼型、イルカ型の4つに分類されます。それぞれの簡単な特徴は以下の通りです。
- クマ型:昼型で、全人口の約50%。7時頃に目覚め、朝から昼過ぎにパフォーマンスがピークに達します。必要な睡眠時間は7時間以上で、理想の就寝時間は23時頃です。
- ライオン型:朝型で、全人口の15%〜20%程度。日の出とともに目が覚め、昼過ぎに最大のパフォーマンスが得られます。必要な睡眠時間は約7時間で、理想の就寝時間は22時頃です。
- 狼型:夜型で、全人口の15%〜20%がこのタイプ。日が沈み始めるとパフォーマンスが最大化します。必要な睡眠時間は約7時間半で、理想の就寝時刻は24時頃です。
- イルカ型:不眠型で、全人口の約10%。20時〜21時頃に最大のパフォーマンスがあり、必要な睡眠時間は約6時間。理想の就寝時間は23時半頃です。
あなたのクロノタイプは?
4つのクロノタイプは、基本的には自己評価によって、自分の性格、パフォーマンスのピーク時刻、そして睡眠傾向から分類できます。
理解が難しい、または判断が難しいと感じる方のために、ここでは簡単なクロノタイプ診断方法を紹介します。自分のタイプを見つけてみましょう。
- 睡眠時間が7時間以上必要ですか?必要なら次へ、必要でなければイルカ型です。
- 朝型ですが夜型ですか?朝型なら次へ、夜型なら狼型です。
- お昼寝はしたいと思いますか?したい場合はクマ型、いらない場合はライオン型です。
以上が簡単な分類方法です。睡眠は自分の体内時計に合った生活スタイルを採ることが重要です。ぜひ自分に合ったスタイルを見つけてみてください。
クロノタイプに合わせてTOEICを午前にするか、午後にするかを決める
クロノタイプに合わせてTOEICを午前にするか、午後にするかを検討することは、受験者が自分の最もパフォーマンスが高い時間帯でテストに臨むために重要です。
クロノタイプは、個々の生活リズムやパフォーマンスピークの時間を指し、TOEIC試験の結果に影響を与える可能性があります。
- 昼型(クマ型):
- 特徴:朝が元気で、昼過ぎにパフォーマンスが最大化する。
- TOEICの受験時間:午前が適している。クマ型は朝型なので、朝の方が集中力が高く、認識力が増す傾向があります。
- 朝型(ライオン型):
- 特徴:日の出とともに目が覚め、昼前に最大のパフォーマンスが発揮される。
- TOEICの受験時間:午前が最適。ライオン型は朝が得意なので、試験の難易度にも早い時間帯に対応しやすいです。
- 夜型(狼型):
- 特徴:夜になると活動が活発になり、夜遅くにパフォーマンスが高まる。
- TOEICの受験時間:午後が適している。狼型は夜型なので、午後や夕方になると集中力が高まります。
- 不眠型(イルカ型):
- 特徴:早くから目が覚め、夜も遅くまで活動できるが、不安定な睡眠が特徴。
- TOEICの受験時間:午前か午後、どちらでも構わない。イルカ型は睡眠が不安定なため、自身の調子に合わせて選択することが重要です。
クロノタイプによって人の生活リズムが異なるため、試験前に自分が最も活動的で集中しやすい時間を知り、その時間帯にTOEICを受験することで、より良い結果が期待できるでしょう。クロノタイプに合わせたスケジュール調整は、効果的な試験対策の一環となります。
私はクマ型だったので、午前中に試験を受ければ、最大のパフォーマンスを発揮できそうです!
TOEICは午前か午後どっちに受けるべき?クロノタイプからわかる真実について
コロナの影響で、TOEIC Listening&Reading公開テストは午前と午後に分けられています。午前と午後両方受けることはできないので、どちらか選ぶ必要があります。
この時、注目すべき点は過去の平均スコアです。基本的に午前の部の方が平均スコアが高い傾向にあります。これは、午前の部のテストの難易度が低いわけではありません。
TOEICの午前、午後の平均スコアに差が出る理由は以下の3つです。
- 朝の方が集中力が高い
- 疲労感がない
- 午前の受験者の方が意識が高い
これは一般的な傾向です。自分に最適な時間帯を見つけるにはクロノタイプを考える必要があります。クロノタイプには以下の4つがあります。
- 昼型(クマ型)
- 朝型(ライオン型)
- 夜型(狼型)
- 不眠型(イルカ型)
自分がどのクロノタイプに当てはまるのか、次の質問で判断しましょう!
- 睡眠時間が7時間以上必要ですか?必要なら次へ、必要でなければイルカ型です。
- 朝型ですが夜型ですか?朝型なら次へ、夜型なら狼型です。
- お昼寝はしたいと思いますか?したい場合はクマ型、いらない場合はライオン型です。
TOEICは午前か午後どっちに受けるべき?クロノタイプからわかる真実について書いたこの記事で気になることや、質問があれば、気軽にしたのコメント欄から聞いてください!
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